◆西谷祥子作品コミックス・リスト◆
シップ・ポケットコミックスとして再び初版が発行されている (微妙なカバー違いの初版が2種類ある [下記参照]。4巻はシップ・ポケットコミックスのみ)。正確にはオリオン版が本当の初版。 上表を見て思い出したのが、私が中学生の時、学校から生徒に「セブンティーン」は (中学生が読むものでないから) 読んではいけないというお達しがあったことです。そのためかえって女子生徒だけでなく男子生徒もセブンティーンを読んでいたような。学校から言われなければ、多分男子生徒はあまり読まなかったと思うのですが。 ●コミックスのカバー違いについて 西谷先生はたくさんコミックスを出されていますが、特定のコミックスで、同じ年月日に発売された初版なのにカバーが違うものがあります。 第1は、花とゆめコミックス版の「ギャングとお嬢さん」です。この作品はもともと昭和42 (1967) 年の週刊マーガレット32〜42号に連載され、昭和45 (1970) 年にマーガレットコミックスが発売されましたが、花とゆめが昭和49 (1974) 年に創刊されてまもない昭和50 (1975) 年に花とゆめコミックスからも発売されました。下の中上図がオーソドックスなカバーですが、中下図のカバーもあります。コミックス本体はまったく同じで、なぜこの2種類があるのかは不明です。東日本版と西日本版という説もありますが、確たる証拠はありません この西日本版(?)のカバーに描かれている、赤いコートを着た少女と犬のイラストについては、昭和45 (1970) 年12月13日発行の週刊マーガレット50号の表紙に同じイラストを見つけました (下右図)。 このイラストが週刊マーガレットのこの号の表紙のために書き下ろされたものなのか、他からの流用なのかわかりません (この号から西谷祥子先生の「まじめに愛して!」の連載が始まっていますが、その内容とは無関係です)。ただし、50号がクリスマスプレゼント号と題しているのに対し、このイラストの左上にオーナメント・ボールを飾ったヒイラギのクリスマス・リースらしきものが描かれていますので、書き下ろしの表紙の可能性が高そうです。赤いコートもサンタクロースの色ですしね。
このイラストーリー「秋」の絵と詩はいずれも西谷祥子先生によるものですが、「気がちがい荘の住人達」とは何の関係もありません。
この版元のオリオン出版というのは、高名な劇画原作者、小池一夫氏が昭和47 (1972) 年に設立したスタジオ・シップが昭和48 (1973) 年8月に社名変更したもので、昭和51 (1976) 年に出版された「北斗という名のひと」と「すみれ咲け咲け」1〜3巻の初版は「オリオンポケットコミックス」となっています。ところが1977年2月頃に再びスタジオ・シップに社名が戻り、背表紙下に「シップポケットコミックス」と印刷されたカバーの初版が再度出版されました (イラストは同じ)。 そういうわけで市場にはこの2種類のカバーが出回っています (4巻は'77年発行、「麦笛の聞こえる町」は'79年発行なのでシップポケットコミックス版のみ)。ですから、正確にはオリオン版が本当の初版と言えるでしょうが、シップ版でそろえたいという人もいるようです。 なお、重版でカバーが変わっているものはよくあります。例えばセブンティーン・コミックスは下図のようにピンクカバーと呼ばれる新カバーに変わっています。「ピンクカバー」の名前の由来は背表紙の色からです。
●作品リスト 以前、「西谷祥子ファン倶楽部」に掲載されていた西谷祥子作品リストを参照して、コミックス収録作品以外を含めた作品リストを再現してみました。 →サイトはこちら 問題あれば削除しますので、管理人までご連絡をお願いします。 |